昆虫の起源
昆虫の起源は水中に住むミミズやゴカイのような形をしたものが進化した事であると言われています。そのミミズやゴカイのような形の生物は陸に上がり始めますが、皮膚がやわらかく乾燥に耐えられるものであったのはなかった為、陸に上がった当初は水辺で生活していたと考えられています。
その後、皮膚が硬質化し、乾燥や日光に耐えられるようになると現在で言う所のムカデのような姿になり、完全に陸で生活する生物になったのです。
このムカデのような生物は現在のムカデと同じく足が非常に多く、頭、胸、腹に分かれているなどの昆虫の特徴は持っていませんでしたが、ここから独自の進化を遂げる個体があらわれ始め、突然、今の昆虫と同じような頭、胸、腹に体が分かれていて、足が六本の昆虫の祖先とも言える生物が誕生します。この昆虫の祖先はまだ羽などを持っている個体は存在しませんでしたが、これから昆虫の進化は急激にすすんでいく事になります。
様々な形に進化した昆虫達
数億年前に現れたとされている昆虫の祖先は、その後、それぞれ独自の進化を遂げ、地球上で最も多様性に富み、最も繁栄した生物へ成長していきます。
元々、羽を持たなかった昆虫の祖先は羽を持つ個体に進化するものがあらわれ、陸に上がった昆虫はとうとう空中へと生活の領域を広げていきます。
現在でもサナギを経ないで成虫になる「不完全変態」を行うものとサナギを経て成虫となる「完全変態」を行う種類がいますが、この両方の昆虫は既にこの頃には存在していたと言われています。
また、この頃、生きていたとされるメガネウラと呼ばれるトンボの祖先は開長が76cmもあったと言われており、現在では考えられないような巨大な昆虫が過去には生息した事がわかっています。

こうして、多くの昆虫達が絶滅と進化を繰り返して今に至りますが、数億年前から殆ど、その形状を変えていない生きた化石とも呼ばれる昆虫が現在でも生息しており、代表的なものとしては「ゴキブリ」「ムカシトンボ」「ガロアムシ」「テングチョウ」などが挙げられます。
殆どの過去の生物が絶滅する中、これだけ多くの種類の昆虫が数億年前とほぼ同じ形状で生き残ってきた事は昆虫がいかに完成された生き物であったかを証明する事実だと言えるでしょう。